それでは第1部のパネルディスカッション「緩和ケアってなあに?」に移らせていただきます。菊井さん、八木さん、よろしくお願い致します。
何回も登壇して、本当失礼いたします。
これからパネルディスカッション「緩和ケアってなあに?」を始めます。
この座長をつとめさせていただくのはがん患者の二人で、私、菊井と八木がつとめます。
後で自己紹介します。ではよろしくお願い致します。
ある日、「がんかもしれない」と思った。けれど怖くて病院に行けなかった。勇気を出して、病院に行った。「よく覚悟して来たね。もう大丈夫だから。」主治医の言葉に涙があふれた。この主治医の言葉が、緩和ケアのはじまりだった。
緩和ケアは、身体的苦痛、精神的苦痛、社会的苦痛、宗教的霊的苦痛を和らげるとされています。今日は患者から見た心の緩和ケアについて考えていきましょう。
がん患者は5つの扉を開けて歩んでいきます。一つずつ開けてみましょう。
主治医からがんだと告げられました。「先生、本当なんですか?私、本当にがんなんですか?がんだったら、私、もう死んじゃうんですか?」先生、診察室で何て言ったんだろう。悪性度って何?ステージって何だろう?告知された時は頭が真っ白になって、先生と何を話したか覚えていない。自分が置かれている状況が理解できない。そんな患者さんが多いと思います。
実際の患者さんに聞いてみましょう。
また、違う扉を開けてみましょう。
退院し自宅に戻ったが、思い悩んでしまいます。「このまま治療すれば治るのかな?」「抗がん剤の副作用で体調が悪くならないだろうか?心配だな。」「再発や転移が不安だな、しないといいな。」
実際の患者さんに聞いてみましょう。
悩むことと考えることで、がんになった自分と向き合うことができると思いますよ。次の一歩を踏み出すことができると思いますよ。
また、違う扉を開けてみましょう。
がん患者サロンというコミュニケーションの場があります。当会主催のがん患者サロンです。がん患者と家族が世話人を務め、運営しています。
サロンに参加された方のお話を伺いました。
当会主催のがん患者サロンでは参加者にアンケート調査を実施しています。アンケートにはどのような声が寄せられたのでしょうか?
話が盛り上がると、参加者みんなで笑いあうこともあります。素敵な笑顔です。
家族との関わりはどうでしょうか?
入院や通院、治療の副作用で家族に迷惑をかけないかな?
治療費が高額になる。経済的に大丈夫かな?
家族との関係はどう変化したのでしょうか?
患者さんに伺ってみました。
がんになって、家族との関係がどう変わったのかを聞いてみました。
医療者との関わりはどうでしょうか?
主治医と患者、という立場でのコミュニケーションが始まります。
主治医がかけてくれたらうれしいと思う言葉をまとめました。
寄り添ってくれる看護師の存在も患者さんにとって不可欠です。
がん相談支援センターはとても頼もしい存在です。
がんに関する様々な悩みに専門的に対応してくれます。
また、違う扉を開けてみましょう。
がんを経験したことで、新しい世界の広がりを実感します。
最後の扉を開けてみましょう。
今私たちはがん治療というトンネルの中にいます。
医療には限界があります。「最期まで診るから。」と伝えることしかできません。けれどその主治医の言葉にどれだけ励まされたことでしょう。
まだ、おぼつかない足だけれど、希望を胸に自分らしい人生を歩んでいきます。
インタビューやアンケートにご協力いただいた多くの皆さま、誠にありがとうございました。